7月20日「博聞社独家」の報道に驚きのニュースが書かれている。香港セントラルを学生たちが占拠した「民主化要求・公平選挙要求」のデモに対して、習近平は解放軍6個師団を「軍事制圧」のために待機させていたことが判明したと言うことだ。1989年6月4日の天安門事件を妨彿とさせるニュースに世界中が驚いている。
「1国2制度」の香港は歴史的な民主化要求デモが拡大したが、それに危機感を沸騰させた習近平政権が緊急に対策を検討した結果を、外国メディアは報道していない。昨年8月1日から検討された香港セントラル占拠への対策は、習近平の指示で、6個師団の解放軍と武装警察を派遣して制圧し秩序を回復させろというものだった。
2014年の年初に「香港セントラル占拠運動」が民主化学生の間で計画されていた段階で、中共中央国家安全委員会では2回の会議を開き、専門家を交えてこの問題を検討している。
会議には、中共中央連絡弁公司、香港マカオ弁公室、公安部、国家安全部、外交部、解放軍総参謀部、統一戦線部、広東省関係部門からの出席者で構成され、硬軟両刀を使い分ける戦術が話し合われた。
ソフト路線の戦術は、香港の右翼・保守勢力を利用して世論操作するものである。ハード路線の戦術は、習近平が主張する「底線思維」という、民主化学生や労働者の末端を懐柔して離反させ、指導者たちを摘発排除するものである。国家安全委員会では、香港セントラル占拠に対して最悪の場合、外国勢力が介入して無秩序状態を引き起こし、香港社会を動乱・破壊に導き、香港政府も香港警察も有効手段を取ることが不可能になる事態を想定していた。
「解放軍が香港を接収・管理する」という方針は、事情通によると解放軍総参謀部が策定したものだという。その中に、解放軍6個師団の運用や、香港駐屯部隊の第42集団軍を接収部隊として派遣することや、武装警察部隊・予備役部隊・公安特殊警察部隊を5-6万人派遣することが決められている。
香港接収の段取りは、まず香港特別区政府から中共中央政府に秩序回復要請があり、それを受けて香港鞋屯部隊が出動となる。
ところが、現状の香港駐屯部隊は有名無実の組織であり、現実には広東軍区の第42集団軍が越競派遣されることになっている。
第42集団軍は広東省恵州にあり、第124と第163機械化師団と砲兵師団と装甲旅団と防空旅団を持ち、総員4万人を超える。武装警察広東省総隊の兵力も数万人、広東省の地方公安警察部隊も数万人の兵力を動き出来るので、香港に派遣可能な兵力は5万人を超える。
報道によれば、この香港セントラル占拠に対する方針は習近平が言い出したものであり、それは習近平が香港に対して「優しくない」ことを証明している。北京当局の香港に対する態度・方針は全て「習近平の意志の反映」であることは間違いない。
(「月刊中国)157号 2015年10月発行 より)
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